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書感 「土偶を読む」

書感 「土偶を読む」
130年間解かれなかった縄文神話の謎
 竹倉文人著 晶文社 2021年 1700+αIMG_20221013_0001.jpg



 今まで、土偶は、人間を形どっていたと思い込んでいましたが、本書により、全く新しく土偶の原点を知りました。当時の人々の命をつなぐ食べ物に感謝していたのが基になっていたことを知ったからです。

謎に包まれたままであったこともはっきりしました。
当時、食べていくのに必要な栗、木の実などの食べものを表していたことが明らかになった。と著者は記しています。
以前、他の文献から、縄文時代、東北地方で栗が栽培されていたという記事もありました。つながりを感じました。

本書の冒頭から、土偶について、いくつかひろってみると、

土偶の存在は、かの邪馬台国論争と並び日本考古学史上最大の謎と言ってよいだろう。
土偶は縄文人の姿をかたどっているものでも妊娠女性でも他母神でもない。
「植物」の姿をかたどっている。
縄文人の生命を育んでいた主要な食用植物たちが土偶のモチーフに選ばれている。
土偶の造形はきわめて具体的で写実性に富むもの。
土偶の正体はまったく隠されておらず、常にわれわれの目の前にあった。

なぜ正体がわからなかったのか?
その植物に手と足が付いていたからである。

これは、「植物の人体化」と呼ばれる事象で、ギリシャ語で人間・形態を意味する。土偶に限らず、古代に制作されたフィギアを理解するうえで極めて重要な概念である。

土偶は読むことができる。文字のなかった縄文時代における神話表現の一様式なのである。
と、解説されています。

栗、ハマグリ、柿、トチノミ、稲、ヒエなど。当時、食料としていたものを大切にしていたことがうかがえます。


そして里芋が遮光器土偶として見られていたその理由も明確になりました。
里芋の全て、根、葉っぱが土偶にしるされていたことが分かりました。遮光土器サトイモ50



添付写真は、著者の引用した遮光土器の写真に解読内容を追加して見ました。
サトイモの精霊の身体を想像している。サトイモは地下で成長し、植え付けられた種イモから、親イモ、子イモ、孫イモと続き増殖している様子を見事に土偶に反映している。
この背景に、気づかなかったから、光線除けの眼鏡をかけていると勘違いされてきたことが分かります。

遮光土器土偶は頭部に親イモ、手足の子イモが配置、頭頂部に葉がスペード状の造形、子だねの芽、子イモを外した跡が大きな目のようになっていることが分かります。

この遮光器土偶はなぜ東北地方に多く発見されたか、サトイモを常食していた地域にかかわっていたことも理解できます。
さらに、土偶の年代とともに、サトイモに代わり稲(イネ)、稗(ヒエ)に置き換わってきたことも推察されています。


藤田 昇
2022/10/23
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